タコ足配当状態の不動産投資にご注意を|キャッシュフロー経営の盲点
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タコ足配当という言葉をご存じでしょうか?
タコ足配当とは、投資信託などで、通常運用に対する利益から配当金を出すというものを特別分配という名の基に、利益がないのに配当金を出すことをいいます。
例えば、投資信託を購入する時に魅力のある分配金を毎月もらえるという商品を購入し毎月分配金をもらっていたら、実は大きく元本が目減りしていたという状況です。
上記ではどのようなことが起こるかというと、100円投資信託を購入すると、ファンドは100円を運用をします。
100円に運用益が出れば、配当金が出るというのが通常ですが、特別配当という名目で100円の運用をし運用益が0円で、元本が100円のままでも、10円の配当金を出し、元本が90円になるというような状態です。
タコが自分の足を食べる状態に似ていることからタコ足配当と言います。
不動産投資でもこれと同じような状況が良く起こっています。
割高な不動産を購入していたり、土地を所有している人が建物を建てて建築後の価値を考えていない場合、相場が高い時期に購入して不動産の価値が下がっているときなどに良く起こります。
この時に多くの方が、キャッシュフローに対する効率しか見ず、貸借対照表(B/S)の視点が欠如してしまいます。
表面利回り、キャップレート、FCR、CCRなどは、あくまで投資額や物件価格とキャッシュフローを比べた効率です。
ここに不動産の価値である貸借対照表(B/S)の発想は入っていません。
キャッシュフローは良く見えたけれども、貸借対照表(B/S)で考えると目減りしているようであれば、タコ足配当のように自分で自分の足を食べているのと似た状態です。
私の仕事では中間分析をさせて頂くことが多いですが、この状態になっている方は非常に多いので気をつけたいものです。